長期経営計画作り合宿セミナー

値切られても付加価値を減らさない売上数量は?

 価格競争の激しい今のようなとき、こちらの希望価格を値切られるのは、日常茶飯事である。そこで今回のPLチャートの応用例は、お客様から値引き要求されたときに、初期の期待付加価値を減らさない売上高を求めるチャートの使い方を述べる。


 図1のようなコスト構造、つまり売り単価100円、変動単価(仕入単価)60円、付加価値単価(1個当たり儲け)40円の商品の取引で、1割の値引き要請にあったとする。この時、値引きなしの取引で確保される付加価値を減らさないためには、取引数量をいくら増やしてもらえばよいかという問題である。
 この場合は、当初の希望付加価値を変えずに、収益構造のPLチャートを作り、その付加価値を値引き後の付加価値単価で割ってやると良い。

 EXCELで図2のようなチャートを作り、値引き後の売単価と仕入単価を手入力して、M(一個当たり儲け)を計算する。次に付加価値(当初の希望額4,000)をM(値引き後の儲け単価30)で割ってやると、数量のところに、値引きした場合の必要売上数量が計算できるように計算式を埋め込んでおくと良い。
 このとき、数量を初めは100にしておく。すると値引き後の数量のところに出た数字は、必要倍率を表している。このケースでは、1割値切られたら、133.3%の数量を買ってもらえば当初予定の粗利益(付加価値)が確保できることになる。