長期経営計画作り合宿セミナー

最初に目的あり (どんな会社にしたいのか) (1)

- 目的(ビジョン)なくして戦略なし -

企業存続の目的は継続(勝ち残り、ゴーイング・コンサーン)である。事業の経営とは、与えられた環境の中でわが社を元気にして、どんな厳しい環境の中にあっても、生き残る道を計画し、実行しそして会社を継続、発展させることである。

そのためには、社長は社長の仕事をしなければならない。社長が社長の仕事をしていないとき、あるいは社長が社長の仕事が出来なくなったとき、会社は社長を変えなければならない。 しかし、中小企業の社長は簡単には首にならないし、簡単には変えられない。

そこで、これから提唱する、会社を「元気にするシステム」ではまず、社長が自ら自分を変えることを前提として設計する。そのために社長は何を勉強すべきかから説明していく。 社長が社長であるためには、ビジョンと理念が必要と言われる。 ビジョンとは、もともと、将来への夢とか見通しという意味合いの言葉である。企業ビジョンというときのビジョンとは、5年後や10年後のわが社のあり方を具体的な言葉で表現したものである。 単なる夢とか見通しという言い方よりも、将来絶対に達成したい理想という意味合いで使われる。

そして、企業経営に必要なビジョンは、売上高や市場シェア、自己資本比率、期間などの定量的数量的な目標でなければならない。 通常、数値目標というと、財務数値の目標設定が殆どである。このシステムでも取り入れた、バランス・スコアカードという手法が、一定の企業で効果を挙げている。 この手法の特徴は、財務以外に、顧客の視点、業務プロセスの視点、人材と変革の視点等にも数値目標を設定し、その目標を経営者、従業員が共有し、それらの目標達成を通して、会社の変革を実現しようとする手法である。この手法については、後の項で述べる。