長期経営計画作り合宿セミナー

経営は知性(計算)と意志(決意)の作為である (2)

― 続・会社は成るものではなく創るものである ―

日本の大企業では、社長交代は任期満了を待ってという例が多い。

その点アメリカでは、4半期の業績が悪いというだけで、即社長交代という例が結構目に付く。この原稿を書いている時点(’05年2月)でも、史上最強の女性経営者ともてはやされ、ヒューレット・パッカード創業家の反対を押し切って、コンパックと合併させたフィオリーナ女史が解任されたというニュースが流れていた。 経営戦略を巡る取締役会との対立が原因で解任された。合併からわずか2年半後のことである。合併そのものは失敗とは言えず、むしろ、合併により、大幅な黒字化を達成したばかりである。解任の大きな理由は、合併による黒字にかかわらず、プリンター頼みの収益構造は変わらず、新しい収益事業が育っていないという理由のようである。

日本の大企業でも、ごく最近、ソニーで、任期満了前に出井CEO以下役員全員が辞任して、アメリカ人ハワード・ストリンガー氏が新しくCEOに就任した。これは日本の大企業では珍しい例である。

中小企業では、社長が死ぬか、高齢になって引退するときに社長が交代という例が殆どのようである。中小企業の社長は、高齢になって引退するまで変わらない、とすれば会社はなかなか変われないで、成り行き任せのまま、ずるずると時間だけがたって、厳しい変化の波に乗り遅れ、ついには、ジリ貧になる。